「地域開発と交通整備」:はじめに

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今年の研究テーマは、「地域開発と交通整備」です。今回の研究のきっかけとなったのは、近年相次いでいる整備新幹線計画の漸進と、今年3月に約10年ぶりに策定された全国総合開発計画「21世紀の国土のグランドデザイン」の存在でした。今回の計画を含め5次に渡って策定された国土計画において大きなウェイトを占めていたのが、日本の各地を結合する手段としての交通を整備することでした。しかし日本経済の発展、都市−農村という国土の二元構造化などといった要素が絡み合う中で、それらは少しずつ変化することが要求されていきました。ここ2・3年内に新幹線の延伸が相次ぐ中、これを研究のテーマとして取り上げようとの声が出た時、国土総合開発計画との関連に重点をおいて研究をすすめることはむしろ自然なことだったのかもしれません。

ただ、今回の研究は方向付けにかなり困難なものがありました。過去の開発計画にあたり、その中の交通整備計画に見られる視点を探り出す作業は複雑を極めました。中央と地方、と一概にはよく言われますが、それらを完全に解明するまでには至りませんでした。もしかしたら、中央と地方という視点の区分では捌ききれないのかもしれません。また、今回の研究の最後には、青山学院大学の須田昌弥先生へのインタビューを行いました。そこで話し合われたことは、総合開発計画と交通にとどまらず、開発そのものについてまでに及びました。すなわち、開発計画という一つの切り口を見たとしても、最終的には開発の本質を問う必要があるということをあらためて認識することになりました。詳しくは本文を御覧下さい。

なお、本文中の敬称は略させて頂きました。

本冊子は御覧の通り手作り製本による無料配付となっておりますが、これは一人でも多くの方々にこの冊子を読んで頂き、研究の成果や当鉄道研究会の活動を知って頂きたいために続けているものです。是非、御意見・御感想を私達にお寄せ下されば、と思います。


最後になりましたが、本書作成にあたり、インタビューに御協力頂きました青山学院大学の須田昌弥先生に御礼申し上げます。

1998年10月31日 代表者


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Last modified: 2008/9/26

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